ドイツフローリストマイスターについて
ドイツにはマイスター制度があり、マイスターとは手工業の分野で国が定めた最高職位、国家資格です。
日本にはドイツのような職人の為の教育システムがない為、分かりにくいと思いますが、
マイスターを日本語で訳すと「巨匠」「名人」「親方」となります。
ドイツと言えば颯爽と走り抜けるベンツやBMW、ポルシェや切れ味のよいヘンケルやゾーリンゲンの刃物など高品質な製品が思い出されます。
これらの高品質なドイツ製品はマイスターによる高い技術力をもって生み出されました。ドイツのマイスター制度とは、国の教育機関と、マイスターがつながり、安定した教育を繰り返すことで、各職業の水準が下がることなく、
一定のレベルを保ち、ドイツの国の制度として技術力の高い職人をつくりだし、教育し循環させる制度と考えられます。
私の学んだフローリストの分野でもマイスター制度があります。
まず職業訓練校へ3年通い、フローリストの資格試験を受けます。 合格したのちプロとして3年の実務経験を経て、初めてマイスター学校の受験資格が与えられます。マイスター学校へ入学した後は2年〜3年通いながら卓越された技術の習得を目指しながら同時に経営知識、社員教育のノウハウを学びます
フローリストの世界ではドイツほど教育システムが確立されている国はありませんし、ドイツのフローリスト理論は高い完成度を持っています。
このような国で定めた教育機関で質の高い教育を受け、斬新なデザインを生み出すことができるようになるのです。
プロフィール 堀江 美砂子

幼いころより草花に興味を持ち、卒業後いけばな、フラワーアレンジメントを習い始める。
フラワーデザインの世界に魅了されヨーロピアンフラワーデザインの本場ドイツへ渡る。
ヒルトンホテルミュンヘン内のWestermeier Blumen で見習いとして修業を始め、
Gruenberg のフローリスト養成学校を優秀な成績で卒業。
さらに現地のフラワーショップBlumen Meire で経験を積み、
ミュンヘン領事館やジャパンフェスタ等さまざまなイベントの空間装飾で絶賛を浴びる。
その後、マイスター学校でペーターアスマン氏に師事、
マイスターの称号(ドイツ職人に与えられる最高職位(国家資格))を取得。
マイスターコンクールでテーマ制作部門 優勝。花束部門3位入賞。
10年に及ぶドイツの修業を終え 帰国後ウエディング、イベント、
NHKやFM渋谷出演、日本フラワーデザイン専門学校講師等 幅広い分野で活躍し
いけばなの伝統とドイツの斬新でシャープなフローリスト技術の融合による
新たなフラワーデザインの可能性に挑戦し続けている